【2万円で作る!】 オートガイド システムの構築と使い方を解説

オートガイド構築と使い方PHD2

オートガイドシステムは簡単に導入できる!

オートガイド のシステムは高価で上級者向けな装備と思われがちですが、2022年現在では非常に手軽に手に入れられる上に、使い方もシンプルです。今回は機材の購入・構築から、オートガイドソフトウェア PHD2 の使い方まで解説していきます。

オートガイド とは?

実際の天体を見ながら天体を架台に追尾させる作業を自動化したものがオートガイドシステムです。AZ-GTi などの自動追尾機能をもった架台の追尾だけでは目隠しで天体を追尾している状態なので、長時間の追尾をしていると設置時の精度等の原因によって少しずつズレきてしまいます。オートガイドシステムを導入することで、カメラで実際の天体の位置からのズレ量を測って架台に補正させるという操作を逐次自動的におこなってくれます。

オートガイド のメリット

天体写真においては高い精度で天体を追尾する必要があるため良く用いられます。しかしながら、それほど追尾性能を要求しない電子観望においてもオートガイドシステムは有用です。

それは、甘いアライメントにおいても強制的に天体を正確に追尾させることができるからです。

例えば、ベランダなどの空を見渡せる範囲が狭い環境では AZ-GTi などのアライメントに使用できる恒星が見える範囲に1つしかないということがあります。他にも、方位磁石が正しく方位を示さない為に架台の初期方向が大きくずれてしまう事もあります。

そうなると、いざライブスタックを開始してもすぐに画面から外れてしまうなどの弊害が生じます。
こんな時にオートガイドを実行することで、強制的に天体を追尾させることが出来ます。

はじめる前に

手順の解説の前に、具体的にどのような機材やソフトウェアを使うのかを見ていきましょう。

オートガイド の構成

今回構築するシステムの構成は、以下のようになります。

  • 架台 = Sky-Watcher AZ-GTi (経緯台モード)
  • ガイド鏡筒 = SVBONY SV165
  • ガイドカメラ = SVBONY SV905C
  • パソコン(Windows)
オートガイド システム 接続図

最安の オートガイド 鏡筒+カメラ

オートガイドを行うためには専用の 望遠鏡+カメラ をまた買わなければならない訳ですが、2022年現在では20,000円程度で構築することが出来ます。私が調べた限り、ガイド用と明記されている製品で最も安く構築できる製品は以下の組み合わせです。

ガイド鏡筒 SVBONY SV165 約6,000円(2022年3月現在)

ガイドカメラ SVBONY SV905C 約16,000円(2022年3月現在)

セールもちょくちょく行われているので、もっと安価で入手することができるでしょう。鏡筒の剛性も十分で、カメラのピクセルサイズも3.75μmと大きいです。通信ケーブルは USB 2.0 なので、安価なUSBハブ経由でパソコンと接続する運用もできます。
今回は以上の機器を使って解説していきます。

また、今回は扱いませんが同じ価格帯のカメラで電子観望にも使えると評判の PlayerOne Celes-C もあります。DPS (Dead Pixel Suppressoin) という機能が搭載されていて、低ノイズな画像を得られます。ノイズが少ないことでガイド星がより鮮明となり、ガイドの安定性に寄与するかもしれません。

ガイドカメラ PlayerOne Celes-C 約16,500円(2022年3月現在)

主鏡への設置

先に紹介した SV165 は、標準的なファインダー台座で固定することが出来ます。お使いの天体望遠鏡にファインダーの代わりに設置することも可能です。

ファインダーと同時使用を考えるならば、新たにファインダー台座を増設することで対処できます。私は以下の台座を購入して増設しました。2022年9月現在は 1,300円程度で手に入ります。

お使いの天体望遠鏡によっては、ファインダー台座を増設出来ない場合もあります。その際は、ウエイトシャフトに設置することも可能です。以下のカメラ雲台をウエイトシャフトに取り付けます。

ガイド鏡筒 SV165 には底部にカメラネジ穴があるので、上記のカメラ雲台に設置することが出来ます。

SV165 底部のネジ穴
SV165 底部のネジ穴
SV905C をウエイトシャフトに設置した様子
SV905C をウエイトシャフトに設置した様子

フリーソフトウェア PHD2

カメラの映像から追尾ズレを検出して、架台に補正信号を送るソフトウェアが PHD2 です。

- PHD2 Guiding

無料で使える上にガイド性能が優れている為、世界中に多くのユーザーが存在します。
このソフトウェアの理念の一つに以下のようなものがあります。

初心者やカジュアルなユーザー向けに、使いやすさと優れたガイド性能を「箱から出してすぐに」提供します。

PHD2 マニュアル イントロダクション より

要するに初心者でもすぐに使い始めることが出来るようにする!ということですが、これは本当にその通りでオートガイドに関する詳しい知識を準備せずにさっさと使い始めることが出来ます。まずは使ってみて、分かってきたら詳しく学ぶというスタイルで問題ありません。

PHD2 は Windows と Mac での動作をサポートしていますが、今回は Windows での解説を行います。

ガイド鏡筒とガイドカメラのセットアップ

それでは実際にオートガイドシステムの構築を始めましょう。ガイド鏡筒とガイドカメラのセットアップを行っていきます。

ガイド鏡筒にガイドカメラを接続する

今回使用するガイド鏡筒 SV165 はこちらです。

SV165
SV165

鏡筒後部にカメラの差込口があります。

SV165 カメラ差し込み口
SV165 カメラ差し込み口

そこに接続するのは、今回使用するガイドカメラ SV905C です。

SV905C

ガイド鏡筒にカメラを差し込み、ネジで締め付けます。

SV165 に SV905C を接続した状態
SV165 に SV905C を接続した状態

主鏡に取り付ける

ガイド鏡筒+ガイドカメラを主鏡に設置します。今回は主鏡のファインダー台座を使います。

主鏡のファインダー台座に SV905C を取り付けている様子
主鏡のファインダー台座に SV905C を取り付けている様子

架台をパソコンに接続する

AZ-GTi をパソコンに接続します。後の手順で架台との通信が必要になります。AZ-GTi をパソコンから操作するための手順は以下の記事で解説していますのでご参照ください。

【AZ-GTi をパソコンから操作する】 SynScan for Windows のインストール
AZ-GTi の制御アプリ SynScan電子観望の必須アイテムとも言える激安万能架台 AZ-GTi をパソコンから制御する方法を解説します。プレートソルビングを行うためにはASCOMとの連携する必要がありますが、パソコンにSyn...

ガイドカメラ用ドライバのインストール

ガイドカメラ SV905C のドライバをダウンロードします。以下のSVBONY公式サイトのソフトウェアダウンロードページへアクセスします。

SoftWare-Driver
SoftWare-Driver

「SVBONY Cameras」右の「Download」ボタンをクリックして、ドライバのダウンロードをします。

SVBONY ソフトウェアダウンロードページ
SVBONY ソフトウェアダウンロードページ

ダウンロードしたファイル解凍を解凍します。

SVBONY Camera ドライバの zip アーカイブ
SVBONY Camera ドライバの zip アーカイブ

解凍すると、ドライバのインストーラーが展開されるのでダブルクリックをしてインストーラーを起動します。

ドライバのインストーラー
ドライバのインストーラー

インストーラーの起動の際に、「Windowsのユーザーアカウント制御」画面が表示されることがありますので、「はい」をクリックします。

Windows のユーザーアカウント制御画面
Windows のユーザーアカウント制御画面

インストーラーがインストール先を設定する画面を表示しますので、「Next >」ボタンをクリックします。

ドライバインストール先の設定画面
ドライバインストール先の設定画面

ドライバのインストール準備が整った旨が表示されるので、「Install」ボタンをクリックして開始します。

インストール開始画面
インストール開始画面

しばらくすると、インストールが完了するので「Finish」ボタンをクリックしてインストールを終了します。

インストール完了画面
インストール完了画面

ガイドカメラの動作確認

パソコンからカメラ映像が取得できるのかどうかを確認しましょう。

ガイドカメラをUSBケーブルでパソコンに接続します。

SV905C と パソコンを USBケーブルで接続した様子
SV905C と パソコンを USBケーブルで接続した様子

ガイド端子は使わないの?

一般的にガイドカメラにはガイド端子が搭載されていて、ガイドカメラから直接パルスを架台へ出力することが出来ます。
しかし、AZ-GTi はオートガイドポートを持っていないため接続することが出来ません。今回は ASCOM 使ってオートガイドを実現します。

ASCOMについては以下の記事で解説していますのでご参照ください。

【天文機器連携プラットフォーム】 ASCOM のインストール方法 for Windows10
ASCOM Platform のインストール天文機器同士を連携させてカメラ撮影やプレートソルビングを実現しましょう!今回はそのプラットフォームである ASCOM について解説し、インストールしていきます。ASCOMとは...

SharpCap を起動します。

SharpCap
SharpCap

SharpCap メニューから「カメラ」をクリックし、ガイドカメラ「SVBONY SV905C」をクリックしてください。

SharpCap カメラメニュー
SharpCap カメラメニュー

今の時点ではフォーカスを調整していないため、ガイド鏡筒に光を当てるなどしてパソコンで表示しているカメラ映像が反応するかどうかを確認してください。

SharpCap で SV905C のカメラ映像が表示できている
SharpCap で SV905C のカメラ映像が表示できている

フォーカス合わせ

ここでは、実際の天体を使ってガイド鏡筒のフォーカスを合わせていきます。AZ-GTi を操作して、ガイド鏡筒を適当な天体へ向けてください。

AZ-GTiの使い方については以下の記事で解説していますのでご参照ください。

【一家に一台!】万能マウント AZ-GTi の設置と使い方を解説
AZ-GTi の使い方購入を検討されている方にとって、 AZ-GTi はご自身にとって良い選択なのか?気になるところですよね。今回は、 AZ-GTi を購入後にどのように使うのかを具体的な例をご紹介します。機材構成...

天体へガイド鏡筒を向けたら、ガイド鏡筒のフォーカスを調整していきます。
SV165 は以下のように鏡筒を伸び縮みさせることが出来ます。

SV165 鏡筒の伸び縮み
SV165 鏡筒の伸び縮み

目的の長さに調整したら、赤い筒をつかって固定します。

SV165 の長さを固定した様子
SV165 の長さを固定した様子

また、 SV905C の接続部には目盛りが印字されているのでフォーカスを合わせる際に長さを記録しておくと、後日再現する際に便利です。

SV905C 接眼部の目盛り
SV905C 接眼部の目盛り

これらを使って以下のような位置にすると、おおむねフォーカスが合います。

SV165 にフォーカスがほぼ合っている状態
SV165 にフォーカスがほぼ合っている状態

フォーカス状態の確認と微調整の為に、カメラの映像を見ていきましょう。

SharpCap で SV905C を表示している様子
SharpCap で SV905C を表示している様子

あとは、画面を見ながら鏡筒とカメラを少しずつ動かしてフォーカスが合う場所に固定してください。

PHD2 のインストール

以降はパソコン操作になります。SharpCapは以降使いませんので終了してください。(SynScan はまだ使用するので、起動した状態にしてください)

ダウンロード

PHD2 公式サイトへアクセスします。

- PHD2 Guiding

「Download v2.6.11 for Windows」のボタンをクリックします。

PHD2 公式サイト

インストール

ダウンロードした「phd2-2.6-installer」をダブルクリックします。

PHD2 の初期設定

初めて PHD2 を起動すると、「新しいプロファイルウィザード – 導入」の画面が表示されます。ここではガイド鏡筒、ガイドカメラや架台の仕様の入力を行って PHD2 がオートガイドを行うのに必要な機器構成を教え込むことになります。

はじめる前に、ガイドカメラがパソコンに接続されていることを確認してください。また、SynScanが起動およびAZ-GTiへの接続が完了していることも確認してください。

予め機器がパソコンに接続されていると、機器の情報を自動入手することができます。

ガイドカメラ:パソコンにケーブルが接続されていることを確認してください。
架台 (AZ-GTi) :SynScanが起動および接続が完了していることを確認してください。

「次へ >」ボタンをクリックします。

PHD2 初回起動時に表示される プロファイルウィザード
PHD2 初回起動時に表示される プロファイルウィザード

ガイド鏡筒とガイドカメラの情報を入力する画面が表示されますので、「ガイドカメラ」欄をクリックします。

ガイド鏡筒とガイドカメラの仕様を入力する画面
ガイド鏡筒とガイドカメラの仕様を入力する画面

すると、カメラ一覧が現れますので接続しているガイドカメラを選んでください。

ガイドカメラ一覧。今回は SV905C なので Svbony Camera を選択
ガイドカメラ一覧。今回は SV905C なので Svbony Camera を選択

すると、カメラと通信して情報を取得しましょうか?というメッセージが表示されます。
カメラがパソコンに接続されていることを確認して、「はい」をクリックします。

カメラがすでに接続されているかの確認メッセージ
カメラがすでに接続されているかの確認メッセージ

これによって、ピクセルサイズが自動入力されます。
ガイド鏡の焦点距離(mm)は自ら入力する必要がありますので手入力します。ここでは、ガイド鏡筒 SV165 を使用するので、「120」と入力して「次へ >」ボタンをクリックします。

ガイド鏡筒およびガイドカメラの仕様入力をした状態
ガイド鏡筒およびガイドカメラの仕様入力をした状態

次は、架台(AZ-GTi)の情報を入力します。
「マウント」をクリックします。

マウント接続の選択画面
マウント接続の選択画面

一覧から「SynScan App Driver (ASCOM)」を選択します。

マウント一覧
マウント一覧

すると、架台がすでに接続しているかを確認するメッセージが表示されます。
SynScanがAZ-GTiと接続されていることを確認してから、「はい」をクリックします。

架台がすでに接続されているかを確認するメッセージ
架台がすでに接続されているかを確認するメッセージ

すると、SynScanから取得した情報を元に Mount guide speed (n.n. x sidereal) の値が更新されます。
「次へ >」ボタンをクリックして先に進みます。

架台の仕様情報を入力した様子
架台の仕様情報を入力した様子

ここで補償光学装置の設定画面が表示されますが、通常は「次へ >」ボタンをクリックしてください。

補償光学装置の設定画面
補償光学装置の設定画面

補償光学とは?

2022年現在では一般人が使用するものではありません。天文台からレーザー光線が照射して、上空の大気状態を常時観測するという大規模なシステムです。

最後に、プロファイルの作成を完了させる画面が表示されます。
「プロファイル名」にわかり易い名前をつけてください。(後日画面に表示された際に、どのような機器構成かを思い出せるように!)

「ダークライブラリの構築」にチェックを入れた上で、「完了」ボタンをクリックします。

プロファイルウィザード完了画面
プロファイルウィザード完了画面

ここでチェックした「ダークライブラリの構築」とは、カメラのノイズを低減させる為の物です。各露出時間ごとのノイズの分布を記録しておくことで、オートガイドを行う際にノイズと恒星を見間違わないようにしてオートガイドの安定性を向上させることが出来ます。

ダークライブラリの構築

オートガイドの安定性を向上させるために、ダークライブラリを構築していきます。構築は数分以内に終えることができるので、よほどの急ぎでなければ構築することをおすすめいたします。
「スタート」ボタンをクリックします。

ダークライブラリの構築画面
ダークライブラリの構築画面

ガイド鏡筒に蓋をするよう指示が出ますので、SV165 に蓋をして「OK」ボタンをクリックします。

ガイド鏡筒に蓋をする指示
ガイド鏡筒に蓋をする指示

各露出時間のダークフレームを取得されていきますので、数分間待ちます。

ダークライブラリの構築を実行中
ダークライブラリの構築を実行中

構築が完了すると、ガイド鏡筒の蓋を外す指示が表示されます。
ガイド鏡筒の蓋を外して「OK」ボタンをクリックします。

ガイド鏡筒の蓋を外す指示
ガイド鏡筒の蓋を外す指示

PHD2 の使い方

準備は整いました。オートガイドを始めましょう!

画面の見方

PHD2 の初期状態では、カメラの映像の下部に制御ボタンが配置されています。

PHD2 のメイン画面

実際によく触るボタンは以下の通りです。

メイン画面上のボタン
メイン画面上のボタン

PHD2 の設定 (経緯台モード使用時のみ)

PHD2 は赤道儀での使用を前提とされているので、経緯台モードで使用する場合は別途設定が必要になります。赤道儀モードでお使いの方はこの設定は不要です。

画面下部の設定ボタンアイコンをクリックして下さい。

PHD2 設定ボタン
PHD2 設定ボタン

「Advanced Settings」画面が表示されるので、「ガイド」設定画面から「Use Dec compensation」と「子午線を越えたら赤緯(Dec)出力を逆転する」のチェックボックスを外してください。

ガイド設定
ガイド設定

「Algorithms」画面の赤経、赤緯両方のアルゴリズムを「ヒステリシス」に設定します。また、赤緯(Dec)ガイドモードは「Auto」を選んでください。

アルゴリズム設定
アルゴリズム設定

画面下部の「OK」をクリックすると設定が保存されます。

経緯台でPHD2を使用するアイデアは 2020年に Cloudy Nights で公開された情報を元にしています。参考先は以下のページです。(英語)

Guiding the Panther Alt-Az mount with PHD2
PHD2 is a fantastic tool for guiding our telescope mounts. Most of the basic features and settings were created with a German Equatorial Mount in mind. Using it...

機器の接続

PHD2をガイドカメラと架台(SynScan)に接続します。機器接続ボタンをクリックします。

機器接続ボタン
機器接続ボタン

すると、「機器と接続」画面が表示されます。すでに SynScan は AZ-GTi に接続済みであれば、「全て接続」ボタンをクリックします。

機器と接続 画面
機器と接続 画面

接続されると、以下の様に機器名がグレーアウトしての右ボタンが「接続断」となります。画面を閉じるために「クローズ」をクリックします。

ループ開始

接続が完了したら、カメラの撮影を開始します。カメラ表示開始ボタンをクリックします。

カメラ表示開始ボタン

すると、画面にカメラの映像が表示されます。

カメラ映像が表示されている様子
カメラ映像が表示されている様子

良く目を凝らすと、画面に複数の星が見えます。

ターゲット星の検出

次に、追尾に適した星を選択します。どの星が良いかは PHD2 に任せてしまいましょう。自動星検出ボタンをクリックします。

自動星検出ボタン

すると、ガイド対象にできる星々が緑色で強調表示されます。

カメラ映像が表示されている様子
自動星検出が行われた状態

緑の四角形で囲われている星がターゲット星となります。

経緯台モードでガイドする際の注意

赤道儀と違って経緯台は視野回転しますので、ターゲット星が画面端の場合はその影響を大きく受けてしまいます。したがって、ターゲット星はなるべく画面中心に近いものを選択するようにしましょう。
手動でターゲット星を選択するには、星をクリックすることで行なえます。

渚みかんさんからアドバイスを頂きました。ありがとうございます!

ガイド開始

それでは、ガイドを開始しましょう。ガイド開始ボタンをクリックします。

ガイド開始ボタン

すると、初回はキャリブレーション動作が始まります。

キャリブレーション中の様子。ターゲット星を中心にした十字線が灰色の点線となる
キャリブレーション中の様子。ターゲット星を中心にした十字線が灰色の点線となる

PHD2 のキャリブレーションとは?

ガイドカメラの傾きと、架台が移動するために必要な補正信号の出し方を測定することが目的です。PHD2 が意図的に架台を動かすので、ガイドが外れてしまっているように見えるかもしれませんが問題ありません。しばらく待ちましょう。

キャリブレーションが終わると、ラインが緑色になってガイドが開始されます。

ガイド中の様子。ターゲット星を中心にした十字線が緑色で表示される
ガイド中の様子。ターゲット星を中心にした十字線が緑色で表示される

これで、オートガイド開始です!

強制キャリブレーションの必要性

機器の構成に変化があった場合は、PHD2を再度キャリブレーションしないと正常な追尾ができなくなってしまいます。変化の例として、

  • ガイドカメラの向きを変えた
  • 架台を変えた
  • 子午線を超えて反転した(赤道儀のみ)

といった事がある場合は要キャリブレーションです。

キーボードの SHIFT ボタンを押しながら、ガイド開始ボタンをクリックすることで強制的にキャリブレーションを開始することが出来ます。

新たな天体を導入したら都度キャリブレーションするとトラブルが減るのでおすすめです。

最後に

非冷却CMOSカメラから冷却CMOSカメラへステップアップする等で、既にカメラをお持ちの方は SV165 分の 5,000円 足らずで環境構築が出来てしまいます。オートガイドがどういうものかを体験すると、その快適さに病みつきになることでしょう!

PHD2 にはガイド状況の詳細を確認できる画面を表示できるので、ご興味があれば試してみてください。ガイドの品質が写真の品質に大きな影響を与えるため、SharpCap や N.I.N.A などのソフトウェアではガイド状況が悪化した場合は撮影を中断する機能が搭載されています。こうした中断の可能性を事前に断つための情報もこれらの画面から得られます。それについては後日記事にできればと思っています。

それでは、皆さま良い天文ライフを!

コメント

  1. 渚みかん より:

    経緯台でオートガイドするときは、撮影写野中央に近い星をガイド対象にしないと
    視野回転で結構流れます。注意書き入れたほうがいいかも。

    • XRAY より:

      ありがとうございます!
      まったくもっておっしゃる通りです。経緯台の視野回転は中心なら影響は少ないですね。
      注意書きいれておきます!

  2. 岡田 より:

    初めまして。最近、天文分野に入門したばかりの岡田と申します。電視観望も始めたところで、軽量の設備で練習中です。現在はCelestron Astro Fi自動導入経緯台にFMA135とCOMSカメラ(Neptune-C Ⅱ)を載せて電視観望を楽しんでおります。
    Astro FiのC5鏡筒にNeptune-C Ⅱを繋げての電視観望も今後やっていこうと考えているところです。

    Celestron自動導入経緯台でオートガイドが出来るかどうかは、XRAYさんの記事を読みながらやってみようと思います。単語の意味から勉強する段階なのですが・・

    私の場合、上記のように設備が軽量ですが、FMA135でオートガイドしながらそのFMA135で同時にSharpCap上で電視観望をするということは出来るのでしょうか?

    何分にも始めたばかりで、的外れな質問となっておりましたら申し訳ございません。

    今は、SkyPortalというCelestron経緯台用のコントロールソフトで、スマホと経緯台をWi-Fi接続して、アライメントや自動導入、その後の自動追尾をしています。

    • XRAY より:

      初めまして!
      ご質問ありがとうございます。初心者の方が躓きやすいことは、どんどん記事にして行きたいと思っていますので有難いです!

      PHD2やSharpCapはそれぞれカメラを専有する為、オートガイドしながら電子観望する場合は2つのカメラが必要になります。
      これは、それぞれのソフトウェアはカメラからの映像を読み出しているだけでなくて、パラメータ設定などの書き込み命令も行っている為です。

      ただ、1つの鏡筒に2つのカメラを接続して、片方で電子観望、片方でオートガイドということは可能です。
      私はまだ使ったことがないのですが、オフアキシスガイダーというシステムになるそうです。
      機会があれば私もやってみたいとは思っています!

      残念ながら、Celestron Astro Fiのことは詳しくないのでPHD2との接続ができるのかはわからないのですが、
      ASCOMで制御できるのであればPHD2との接続はできるのではないかと思います。

      • 岡田 より:

        XRAYさん
        早速のご返信ありがとうございます。
        なるほど2台のカメラが必要なのですね。確かに1台のカメラで、それぞれのソフトウェアに異なった値の受け渡しというのは難しいですね。勉強になりました!
        Celestron ASTRO Fi経緯台はASCOMドライバもあって、制御は出来るようです。
        それでは現状では自動経緯台の追尾機能に頼らざるを得ませんので、出来るだけアライメントを正確に行ったり経緯台の水平確保をぬかりなくやるようにしたいと思います。
        今後ともよろしくお願いいたします!

        • XRAY より:

          この趣味を続けていくと追々カメラと鏡筒は増えて行きますので、焦らずゆっくり楽しんでください。
          FMA135はガイド鏡としては超優秀なので、きっと満足のいくガイドができると思います!

  3. tktk112 より:

    とても参考になり楽しく拝見しています。
    同じような環境なので、勉強になり設定も真似をしてるのですが
    いくつか質問があります。

    ・「Advanced Settings」で経緯台としての設定は同じようにしましたが
    赤道儀としての設定は何が正しいのでしょうか?
    場所によって使い分けているので2通りの設定しておきたいのですが
    Algorithmsの意味がよく分かりません。

    ・またマウントに関して、他では SynScanMobile Telescope (ASCOM) という
    方法で成功されているようですが、当方では何度も再インストール、アップデートしても
    この環境になりません。

    天気も悪くやりこめてはないのですが、ガイドが成功せず座学を先にしておきたいと
    思っています。

    ご教示頂ければ幸いです、
    よろしくお願いします。

    • XRAY より:

      最後まで読んでいただきありがとうございます!
      雨の多い時期になってきましたね。少ない晴れ間を有効に活用していきたいですね。

      赤道儀においてはPHD2はデフォルト設定でほぼ問題無いです。
      アルゴリズムというのは、とても大雑把に言ってしまうとターゲット星のズレに対してどれ位の補正信号を出すかを決める方法です。

      AZ-GTi に関して、もしかするとASCOMドライバをインストールされていないのではと推察します。
      AZ-GTi (SynScan) をASCOM経由で使用するには、別途ASCOMドライバをインストールする必要があります。以下の記事でインストール方法を書いてみましたので、よろしければご参照くださいませ!
      https://realstarry.com/synscan-installation/#toc7

      • tktk112 より:

        返信ありがとうございます。
        数少ない星空の時期になんとかガイドできるようになりました。
        原因はドライバなどソフトウェアでなくただ端に星の明るさ…が原因だったように思います。
        一度捕捉すると、意地悪に向きを変えてとすぐ再導入してくれるほどになりました。

        街中のベランダ3分セットアップの時は
        AZ-GTiを経緯台として使用しています。
        そのままではよいのですが
        本気モードの赤道儀仕様の際にまだ上手くいきません。

        この辺り、またお時間あれば
        本サイトでも検証、説明あると助かります。

        マニュアルガイド…難しすぎて💦

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